発達障害と食事の栄養素の関係
ADHDなどのお子さんの行動は
脳の神経系の障害によるものです。
お薬での治療も有効ですが、
普段からバランスの良い食生活を
心掛けることも大切となります。
発達障害とセロトニンの関係
発達障害(特にADHD)のお子さんは
脳の神経系に障害をもっています。
中でも神経伝達に重要な物として
セロトニン があります。
セロトニンは簡単に言えば
感情や気分に影響を与える物質です。
セロトニンが不足すると
ストレス、疲労、イライラ、意欲低下、不眠、うつ など
様々な悪影響が出てきてしまいます。
特に発達障害のお子さんは
脳の神経伝達が弱い場合がありますので、
食事によって脳にセロトニンを与えてあげることも
効果的と言われています。
セロトニンの素となる栄養素と食品
どんなに身体に良い食べ物でも
過剰な摂取は逆効果になります。
何事も適切な量と質を考え、
1日3食バランスの取れた食事を心がけてください。
朝食を抜くことも悪影響が心配されています。
トリプトファン
セロトニンの素となる物質のひとつが
トリプトファン です。
トリプトファンは体内で生成ができないアミノ酸で
食事から摂取するしかありません。
食事で摂取したトリプトファンは
日中では気分を安定させるセロトニン、
夜は睡眠を促すメラトニンに変化します。
トリプトファンが多く含まれている食材は主に
大豆製品(豆腐、納豆、みそ、しょうゆなど)
乳製品(チーズ、牛乳、ヨーグルトなど)
その他にも
卵、豚肉、鶏肉、魚、ナッツ類、バナナ、さつまいも など
様々な食品に含まれています。
豆腐 | 納豆 | みそ | しょうゆ |
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チーズ | 牛乳 | ヨーグルト |
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たまご | 豚肉 | 魚 | バナナ |
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またトリプトファンは
炭水化物(ごはん、パン、麺類など)と一緒に取ると
吸収率がアップするとも言われています。
大切なのは一つの食べ物をたくさん食べるのではなく、
色々な食材をバランスよく摂取することです。
また、うつ病などの治療薬を服用している場合は、
トリプトファンの過剰摂取が心配されますので、
お医者さんに相談して食事を考えてください。
ビタミンB6
ビタミンB6はアミノ酸の代謝や
セロトニンなどの神経伝達物質の生成に深くかかわっていて、
先ほどのトリプトファンの効果を高めるために
ビタミンB6を同時に摂取すると良いと言われています。
ビタミンB6が欠乏すると
身体がだるくなる
疲れやすくなる
湿疹や皮膚炎になる
イライラしたり気持ちが不安定になる
貧血が起こる
などの問題を引き起こします。
トリプトファンと違い
ビタミンB6は水溶性ビタミンのため
食事での過剰摂取の心配はほぼありませんが
何事もバランスよく摂取するようにしましょう。
ビタミンB6が含まれている主な食品
かつお | まぐろ(赤身) | 鮭 | 豚ヒレ・鶏ささみ・鶏レバー |
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バナナ | 赤パプリカ | さつまいも | 牛乳 |
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カルシウム
一般には骨を丈夫にする栄養として知られているカルシウムですが、
セロトニンなどの神経伝達物質を放出するのにも必須と言われています。
カルシウムが多く含まれている食品
海藻 | 小魚 | 豆腐 | ごま |
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小松菜 | 春菊 | チーズ | 牛乳 |
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セロトニンの素になる栄養素と食品のまとめ
セロトニンの材料となる3つの栄養素を
バランスよくふくんでいるのは牛乳です。
ひとつの食品に偏らず
バランスを考え、1日3食しっかり食べるようにしましょう。
トリプトファン | 卵、豚肉、鶏肉、魚、牛乳、アーモンド、バナナ、さつまいも、大豆、豆腐 など |
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ビタミンB6 | 牛乳、バナナ、かつお、マグロ(赤身)、豚ヒレ、鶏レバー、鶏ささみ など |
カルシウム | 海藻、小魚、豆腐、ゴマ、チーズ、牛乳、小松菜、春菊 など |