注意欠陥多動性障害・ADHDについて

ここではADHD(注意欠陥多動性障害)について説明します。

 

一般的に言われている特徴は
落ち着きがない
集中力が欠けている
飽きっぽい
衝動的 などです。

 

日本では最も多い発達障害で
言葉だけなら聞いたことがあるという人も多いです。

 

LD(学習障害)も併せもつお子さんも多いのが特徴です。

 

ADHDってなに?

ADHDは注意欠陥性多動性障害のことを言います。
ADHDは注意力が足りない、多動性(じっとしていられない)、
衝動的な発言や行動をしてしまうなどの特徴があります。
幼児期から注意散漫と多動性の特徴がみられる場合もあり、
小学校に入学した後も、

  • 席にじっと座っていられない、
  • 話の途中で口をはさむ
  • 教室での課題や宿題を忘れる
  • 単純なミスを繰り返す
  • 作業が雑
  • 言葉での指示に従えない
  • フラストレーションを感じやすい
  • 状況に過度の反応をする
  • 日常的な行動パターンが確立しにくい
  • ソーシャルスキルが低い など

様々な特徴が挙げられます。

 

特に大人の方が理解するべきことに

  1. LDを重複しやすく、またLDでなくても学習の困難を持ちやすい
  2. 医師による薬物療法で症状をある程度抑えられる

などがあります。

 

しかし現在の薬物治療では
症状を抑える効果は報告されていますが、
完全になくなる(治る)ことはないため、
一生付き合っていかなくてはならない障害でもあります。

 

ADHDと脳のメカニズム

 

ADHDの原因としては
脳の構造的・機能的・発達的な異常
養育環境が劣悪
などの生物学的・環境要因的原因の両方が関与している
可能性が指摘されています。

 

ADHDが生じるメカニズム

 

ADHDが生じる原因はまだ解明されていない部分が多いですが
脳内の中枢神経系に問題があるとされています。

 

ADHDの脳のメカニズムは以下のようになっていると推定されます。

 

@中枢神経系の機能障害
  • 脳の発達が未熟
  • 脳の神経伝達物質のやり取りがうまくいっていない
  • 人間の行動を制御する部分が弱い
A認知過程(情報処理)の機能

目・耳・鼻など様々な感覚器官を通して入ってくる情報を受け止め、
それを処理するための機能が十分に機能しない

B情緒・行動の不適応症状

自分の感情や行動を制御できず、やりたい事を我慢できない。
周りからは、わがままなどと受け止められやすく、そのため大人や先生から叱られやすく、自信や意欲をなくし、自己評価が低くなり、不登校などの二次的障害が生じやすい。

 

 

ADHDと診断されたお子さんは
授業などを落ち着いて聞くことが苦手なため、
集団生活に馴染むことが難しく、
友人や先生からの評価が低くなりがちで、
その結果、注意や叱責を受け、
自尊心が傷ついてしまう場合が多くあります。

 

一生向き合っていかなくてはならない障害ですので、
お子さんだけでなく、大人の方へも
心のケアが大切と言われています。

 

このページは

山口薫 編著

Q&Aと事例で読む

親と教師のためのLD相談室

を参考にさせていただきました。