発達障害は母親のせい?誤解を一刀両断!
発達障害にまつわる誤解について
最近ではテレビなどのメディアや
インターネットの発達によって
多くの人が発達障害という言葉を耳にする機会が増えました。
しかし特にインターネット上では
未だに発達障害を持つお子さんへの偏見や
発達障害について誤解している人が多くいます。
そのような中で
間違った情報を信じてしまい、
発達障害について
自分を責めてしまうお母さん方も見てきました。
ここでは発達障害に関する誤解について考えていきたいと思います。
発達障害は子育てのせい
発達障害は生まれついてのものです。
障害そのものは子育てとは全く関係がありません。
「こんな子になったのはあなたの子育てのせいよ!」
私が教員時代にあるお母さんが
姑さんからこのようなことを言われたと相談に来たことがありました。
親しくしている保育士の方にも聞いたところ、
このようなことを言われたことのあるお母さんが何人もいるようです。
特に年配の方は
発達障害についての知識が乏しい方が多いため
障害の特徴からくる行動を
しつけや教育が悪いと言って
お母さんを責める方が多いようです。
代表的な発達障害である
ADHD・ASD・LD については
いずれも脳の神経系の障害が影響しているため
子育ての良し悪しは関係ありません。
障害についての知識を持ってもらい、
問題行動について理解してもらうことが大切です。
子どもには厳しく接するべきだ
発達障害は脳神経の障害のため
得意な事と苦手なことがハッキリわかれています。
むやみに叱るのではなく、
少しずつ訓練していく必要があります。
忘れ物をよくする
落ち着きがない
コミュニケーションに問題がある
勉強ができない
発達障害のお子さんは
得意な事と苦手な事がはっきり分かれている場合が多いです。
また指示されたことを理解することに時間がかかる場合があり、
怠けもの サボっている
など思われてしまうことも多々あります。
一般的なお子さんなら問題なくできることが苦手な事は
脳の神経系への障害によるもので、
厳しく叱ったり、本人の努力で治るものではありません。
特に発達障害を持ったお子さんは
大人の人から叱られる場面が多くなりやすく、
自分はダメな人間なんだ と
劣等感を抱きやすく、自尊心を傷つけてしまう場合が多いです。
日常の生活の中で
少しずつトレーニングをしていくことは有効ですが、
やみくもに怒るのではなく
出来たことに注目し、
出来る事を伸ばしてあげることが大切です。
父親の年齢が高いと発達障害児になりやすい
発達障害と両親の年齢に明確な因果関係はありません
2007年のアメリカの研究で
父親が40歳を超えていると
自閉症の子供が生まれやすい
という報告がありました。
発達障害と遺伝の関係性については様々な研究がなされていますが、
単純に年齢と障害との関係について
しっかりとした科学的根拠はありません。
上記のアメリカの研究においても
父親の年齢よりも
診断されていない遺伝的な問題があったのではないかとの見方もあります。
いずれにせよ、
生命の誕生については未だに研究が続いている分野であり
発達障害児が生まれやすい条件については
まだ決定的な事は明らかになっていません。
母親の喫煙率が高いと発達障碍児が生まれやすい
母親の喫煙と発達障害の因果関係はまだ不明ですが
胎児にとって有害であることは事実です。
妊娠中の喫煙は避けた方が良いでしょう。
2007年に日本の医師が
ADHDのシンポジウムで
母親が喫煙しているとADHDを発症しやすい
と発表しました、
喫煙と発達障害については明確な関係はまだ解明されていませんが、
男女問わず喫煙に関する悪影響はたくさん報告されています。
特に母体となる母親の喫煙の影響は
胎児の健康状態に大きな影響を与えかねないため
妊娠中の喫煙は控えた方が良いとされています。